第1回   この頃のバラが咲いた
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KONOGOLONO BARAGASAITA / JIN SASAKI

  ワールドカップの後半戦から寒い雨の日が続いたので 「エーッ、こんなのありかよ」 なんて西の空を見てボヤいてたら、とたんにドカンとやって来てしまった。
 そう、来なくたっていいもの、ド蒸し暑い昼日中とネネ熱帯夜が7月6日朝10時頃、
何の前ぶれもないまま東京都多摩地区K市方面にドッと我先に押し寄せたのだ。


 私は2年前から毎週土曜日は休みにしてるので、夜更かしとか色々あって
当然この時間は寝ているのだ。
 だがこの日は妙に寝苦しく、ジトーッと身体がねばりつくような感じで目が覚めたのだった。案の定首の周りは汗でビッショリ。
 窓をおもいっきり開けても、爽やかな風はおろか外は生あったかい空気がドーンと
垂れこめて動かない。
 「ア〜ッ、来ちゃった」と、あとは絶句。


 庭の紫陽花を眺め、梅雨はいつ明けるのか今日この頃、、、なんて気分は跡形もなく吹き飛んだ。
 この蒸し風呂状態、今日で4日目だ。
この先考えると泣けてくるよ全く。
 という訳で7月6日、この日は米国独立記念日から2日過ぎた何でもない土曜日であるが、私の住む都下のK市の文化施設 「ルネ」 にマイク真木がやって来るのである。
 2週間くらい前、商店街を歩いてる時、甘味屋さんのガラス戸に大きなポスターが貼り付けられているのが目に入り、駅前とアクセスもいいし、その上何と無料コンサートなのがいい、そそくさと申し込んだら、あとは大きな楽しみだけ。
K市に住んで良かったかも、なーんちゃってね。


 厚くて重たーい空気の中、日本のフォークファンだった妻とふたりで家から自転車こいで5分、あっという間に大ホールに着く.開演時間15時まで10分頃になると一階席は
ほぼ満員の盛況で、客席の7割は女性、子供連れもあったが、予想通りほとんどは
40才以上の年令層で占められていた。
 舞台にはマイク真木の 「ふれあいコンサート2002」 というオシャレな看板が吊られ、サブタイトルには 「武蔵野の森を守り続けるるため、今年も優しい歌声を響かせる」 とあった。
 今も昔も変わらない自然派人間マイク真木らしい。
そしてもっとマイク真木らしいところは、舞台にずらっと並べられた楽器である。
グランドピアノ、アコギX3本、5弦バンジョーX2本、ウクレレ、ウッドベース
エレキベース達がバラの花などでびっしり埋められた中にイカニモって感じで、
これは正しくマイク真木だと納得しててまった。


 定時ピッタリにベルが鳴って、一呼吸あってからマイクさんがギターを抱えて登場。
パラパラと拍手が少なめに終わると 「今日のお客さんはノリがいい」 なんて言いながら笑わせ、 「バラが咲いた一曲だけで食べてるマイク真木でーす」 と軽妙な話でどんどんお客さんの中に入っていく。
 お客との間の見えない垣根なんて全部取り払われていき、初めっからどっかの家の軒先あたりでマイクさんが気楽にギター弾きながら歌ってるって雰囲気が素晴らしい。


 オーイと呼ばれてバンドメンバー3人がそれぞれの位置に立った。
驚いてしまったが、メンバー全員親しくさせてもらっている東京のミュージシャンである。
 ギター、バンジョーはマルチプレーヤーの山口玉三郎、アコーディオン、ピアノ、ジャグはトックンこと宇戸俊秀、ベースは林ノリアキの超強力版!!
 気楽に行こう   キャンプだホイ   バラが咲いた   サンフランシスコ・ベイ・ブルースetc


コンサートはアットホームな雰囲気の中で盛り上がり、途中マイクさんが稲を植えそして収穫しているスライドを見せるコーナーなどもあって、ほのぼのと中身が濃く17時頃に終わった。
 アンコールは少々変わっていてマイク真木とメンバーが出入口のホールで演奏して見送るという趣向。
 こういうのってとてもオシャレな演出で、さすがですネ。
 この時はマイクさん、スコットランドのバグパイプで 「アメージングレイス」 を吹き、客の二重三重の輪の中にいて気持ちよさそうだった。


 久しぶりに見たマイク真木のコンサートは、本当に見て良かったと心から満足した。
家から自転車で5分という距離的安心さが緊張感を奪ってしまい、満足できるかなとちょっぴり心配もあった。
 しかし杞憂だった。 マイク真木というシンガーソングライターは円熟の境地で、さりげない話と歌で奥深い人間味を見せてくれるところは、希有の存在だろう。
 つい先日生まれたばかりの赤ちゃんのことにも触れて 「娘にはハンナと名づけました。漢字で書くと真木花です」 とテレながら話していた。


 私は60年代のモダンフォーク・カルテットで歌っていたマイク真木からずっと見てきてるが、この日のステージを見て今が一番充実の芸ではないかと感じた。
 「バラが咲いた一曲だけだから、、、、」 と言いながらも、オリジナルを作り歌いつづけてきた自信が光っている。
 マイクさん、いつかまた朝霧ブルーグラス・フェスで盛り上がりましょう。
 尚、コンサート主催は 「いせや」 、マイクさん手作り米は 「波実乗米」 ナミノリマイというそうだ。

第一回お・わ・り


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